姉さんの先輩は狼男 孝の苦労事件簿③
鼻と口が塞がれたように、呼吸が出来ない。
目がチカチカして、意識が遠のきそうになる。
酸素不足で、頭が痛い……。
何を、そんなに苛立っているのかは分からなかった。
そういえば、小夜子や孝の態度も、
どこか怯えたように不自然だった。
しかしこれは、威嚇のレベルではない。
エリアルは自分を殺す気なのだと思った。
だが、それでも言わなければならない。
誤解されたまま、死にたくない。