姉さんの先輩は狼男 孝の苦労事件簿③
(でも、今となっては結果オーライな部分もあるし……)
そしてこの日、彼女の秘密も知った。
ビール工場見学最後のイベントは、
製造しているビールの試飲だ。
この日、小夜子以外の全員が、
ビールの入ったスチールコップを手にしていた。
小夜子は青子に、同い年のはずなのに駄目じゃないかと言ったところ、
彼女はあっけらかんと言ったのだった。
「え……二十歳?」
「うん、そうだよ~。
私ね、ぎりぎり昭和生まれ。
入り直しだから。
言わなかったっけ?」