姉さんの先輩は狼男 孝の苦労事件簿③



「本当に?」

「はいはい嘘だよ」

俺は、そっぽを向いた。

「……お前今、いくつ?」
 
小さな声で尋ねると、エリアルは俺に近付き、肩をぽんと叩いた。

「紳士に歳を訊くもんじゃないよ」
 
……何十年……いや、何百年単位か。
 
エリアルが目に浮かべた色が、尋常じゃない落ち着きを示していた。

一種の悟りというか……。



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