姉さんの先輩は狼男 孝の苦労事件簿③



遅い夕飯になったが、

留守番でお腹を空かせていた俺達二人は、

姉さんの報告を聞きながら、

ふかふかで温かい中華まんをむしゃむしゃやっていた。


「見学がね、意外と早く終わっちゃって、

みんなで中華街行こうってなったの。

私は、人形の博物館に行きたかったんだけど、

多数決で負けてね……ってまあ、それはいいとして」
 
姉さんは淹れ立ての烏龍茶を啜って、溜息を吐いた。

「二人が気付いたかそうじゃないかは分からないけど……

私、凄い意地悪されたのよ」

「意地悪?」



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