姉さんの先輩は狼男 孝の苦労事件簿③
 


それからエリアルは、色々な事を語った。
 
一人になってから、日本を出た事。

それからしばらくの間、ずっとふらふらと国から国へ、

宛ての無い旅をしていた事。
 
時々憂さ晴らしに、物を壊した事。

チンピラや、一目で悪人だと分かる人間を、

軽く痛めつけて警察の前へ放置していた事。


それから、日本に来てからの事。

小夜子と孝に、出会った事。

「……僕は今、とても幸せなんだ。

守りたいものだって、たくさん出来た。

……だから、守るべきものがある限り、戦うよ。

それで、いいんだろう? 


あんたが、そう言っていたんだから……」



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