姉さんの先輩は狼男 孝の苦労事件簿③
新しい戦い
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「……この前はさ、失敗しちゃったね」
彼女は、ほうっと溜め息を吐きながら、言った。
彼は、面白くなさそうに応えた。
「ああ。お前が派手にやってくれたお陰でな」
それを聞いた彼女は、目を剥いた。
「酷いっ。他に方法が無いのに、よくそんな事が言えたわね。
元はと言えば、あんたが食べ残したのが悪いんでしょう!?」
「持って帰って、後で食べるつもりだったんだよ。
……それを早とちりして、いきなり燃やしたのはお前だ。
……その所為で、また飢えてるんだよ。
どうにも食べ足りない。苛々してしょうがないんだ。
……近いうち、また狩りをする。
じゃないと、いつ爆発するか分からないからな……」