姉さんの先輩は狼男 孝の苦労事件簿③



「うっわ~懐かしいー……」
 
姉さんが、感嘆の声をもらした。

「うおお、俺若え! ていうか、子供じゃん!」

「そんな事言われると、俺まだこれ生まれたばっかじゃん! 

ちっちゃ~……!」
 
しかし、その次の写真は、おっちゃんの悪戯写真だった。

ベビーベッドの中で平和な顔をして眠っている俺は、

何故かスカートを穿かされていた。

「おお、懐かしいなあ」

「ちょっ……これって」

「懐かしいわねー。これ私のスカートだわ」
 
その次の写真。

一人で座れるようになっていた俺は、

ほっぺたにぐるぐるの渦巻き、鼻の下に髭の落描きをされ、

卓上用の小さな箒を持たされていた。

隣にあるコメントは、『掃除のおじさん』……。

その次の写真では俺はほっかむりをさせられていて、

誰かの財布を玩具にしていた。


コメントは、『お財布持って泥棒』……。


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