姉さんの先輩は狼男 孝の苦労事件簿③
何の戦力にもならない。
こんな、玩具を武器と称してポケットに納めて緊張している俺は、
何の為に行くんだろう。
自分でも、無謀だし危ないと分かっている。
でも、だからといって俺は今更、大人しく留守番が出来る男ではない。
無様でも、時間がどれだけかかっても、俺は彼等について行くんだ。
今までも、そうだった。これからも、それでいいじゃないか。
外に出ると、飛行中の三人と思しき影は、まだ見える位置にあった。
さすがに、エリアルも二人も担ぐのは大変なのか、大分飛び方が怪しい。
あるいは原因は、さっきみたいにずっと、くだらない事で喧嘩してたりするからなのだろうか……。