姉さんの先輩は狼男 孝の苦労事件簿③
そこで彼はお茶をひと啜りしてから、
「ところで……そっちの異人さんは、お客さん?」
部屋の隅で不機嫌そうに、
膝を抱えて親指の爪を噛んでいるエリアルを指差した。
その姿は、前に友達の家で見た、
『来客者に警戒する猫』の姿に、……とても良く似ている。
「いや、お客さんていうかね……」
ごにょごにょと、姉さんは話しづらそうだった。
確かに、そうかもしれない。
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