姉さんの先輩は狼男 孝の苦労事件簿③



時々ちらちらと赤く光る瞳、一文字に固く結ばれた唇……

何も、そこまで怒らなくてもいいじゃんか……!

「何ではっきり言わないんだよー。

孝、お前知ってるか?」
 
おっちゃんが、俺の肩を揺す振った。

駄目だ、もう逃げられない。

俺は観念して溜息を吐いた。

「……あのねえ、あいつは姉さんの……」
 
しかしそこで、言葉が止まった。

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