姉さんの先輩は狼男 孝の苦労事件簿③

白の記憶



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真白なその世界で、雪に叩き付けられて、

もう自分は死ぬのだと思っていた。
 
何度もゴーグルに雪が溜まり、

それを払い落すだけで体力が削られる気がする。
 
歩きづらいのは、膝まで雪に埋もれているからではなく、

いくらか凍傷もあったはずだった。

手足の感覚はとうに無くなり、

もう痛いのか寒いのかも分からない。



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