姉さんの先輩は狼男 孝の苦労事件簿③



まず、パティシエ達は全員、白い服を着ていた。

調理師なんかが着ている、あの作業着だ。

しかし、そのむきむきの体形からしても、

やはり彼等は全員男のはずなのに、

その作業着の上から、

更にふりふりエプロンを身に着けている者がちらほらいた。

「ちょっとぉ~あんた、そこどきなさいよ!

あたしのシューが置けないじゃない!」

「はあ~?何言ってんのよぉ!

あんたのそのクズの山みたいなのなんか、

流しの傍にでも置けばいいじゃないのよ!

こっちはパイ生地が先なの!」



< 38 / 317 >

この作品をシェア

pagetop