姉さんの先輩は狼男 孝の苦労事件簿③



言葉だけは、女同士のちょっとした口喧嘩みたいだった。
 
だけど、厨房に響いているのは、どこまでも野太い声だ。

「きぃい~!何よ、この嫌なオンナ!」

(『女』って……)
 

どこがじゃ……。
 

俺は愕然となった。
 
だが俺の横で豊丸だけは、にやにや笑いながら、

「あー、またハニーさんとミントさん喧嘩してるー」
 
と、平和そうにしていた。


< 39 / 317 >

この作品をシェア

pagetop