姉さんの先輩は狼男 孝の苦労事件簿③
帰り道すがら俺が呟くと、豊丸が吹き出した。
「何で笑うんだよ」
「だってタカちゃん、俺の時と全く同じなんだもーん」
話によると、豊丸も初めて店長を見た時に、
俺と同じように叫んだらしい。
「でね、あの店長ってすっげえマニアで、
『北斗』をこよなく愛していて、
一度でもその類のワードを出しちゃうと、
相手が客だろうが業者だろうがお構いなしに語り始めて、
今日のタカちゃんみたいな目に遭わせちゃうんだってよ」