姉さんの先輩は狼男 孝の苦労事件簿③
 


帰り道すがら俺が呟くと、豊丸が吹き出した。

「何で笑うんだよ」

「だってタカちゃん、俺の時と全く同じなんだもーん」
 
話によると、豊丸も初めて店長を見た時に、

俺と同じように叫んだらしい。

「でね、あの店長ってすっげえマニアで、

『北斗』をこよなく愛していて、

一度でもその類のワードを出しちゃうと、

相手が客だろうが業者だろうがお構いなしに語り始めて、

今日のタカちゃんみたいな目に遭わせちゃうんだってよ」



< 52 / 317 >

この作品をシェア

pagetop