姉さんの先輩は狼男 孝の苦労事件簿③
 

心臓が、スピードを上げて脈打った。
 
しかし俺は、ここでおっちゃんを止める気にならなかった。

何故なら、事前に阻止しても意味が無いからだ。

行動が失敗に終われば、おっちゃんは次の手を打つだろう。
 
それだったら、いっそエリアルのいるところまで進めてから、

一気に邪魔した方が良い。
 
俺はおっちゃんの姿が見えなくなってから、

そっと追い駆けた。



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