白衣の王子様の恋愛感 【番外編12月7日up】
「おまたせしました。こちらですね。・・・どうぞ、付けてみてください。」
スタッフさんがベルベットのトレーにゆう君が指したリングを置く。
キラキラしてすごく綺麗。
それを綺麗な長いゆう君の指が静かに摘む。
リングよりゆう君の指に見とれる。
「手、出して。」
「え?・・・あ、あー。」
リングを持っていないゆう君の手の平を差し出され、それに自分の左手を乗せる。
一瞬ゆう君の手に力が入った。
え?
なに?
見上げたゆう君の顔は、さっきみたいに目を見開いていたがすぐに元に戻り、次いで私の左手の人差し指に触れる感触を感じた。
慌てて左手を見ればブルートパーズのリングが嵌っていた。
そっと目の前に持上げて見る。
ショップの照明がいい感じに照らされて、今まで見た事ないくらいステキなリングだった。
ゆう君に嵌めてもらった事もあるけど。
「気に入った?」
しばらくうっとりと自分の左手ごとリングを眺めていた私の耳に顔を寄せて、ゆう君が小さな声でささやく。
「うん!とても!」
笑顔でゆう君へ振り返れば、すごく近くでゆう君も満足そうに微笑んでくれた。
近い距離で目が合って、心臓がドキンと跳ねた。
自分の頬が熱くなったのがすぐにわかる。