白衣の王子様の恋愛感 【番外編12月7日up】

「・・・アイツと何、話してた？」


去っていく八島さんを今だ目で追いながら、ゆう君は口を開いた。


「えーと・・・友人代表スピーチにゆう君の歴代の彼女の話をするから、その人選の打ち合わせ？」


「は？・・・なんだよ、それ。・・・いいヤツなのに、ホント、口の軽いヤツ。明日の八島のフォローは絶対しない！」


「え！」


それは可哀想だとは思うけど、お式でそんなこと言われたら、ゆう君の機嫌が悪くなりそうだから、八島さんへのお仕置はちゃんとしてもらった方がいいかもしれない。


「気に、なるよな・・・そういうの。オレの昔の話し・・・。」


不機嫌から、罰が悪い表情へと変化して私を見つめるゆう君。

ああ、女性関係のお話を気にしているんですね。

昔というか、昨年の９月までいましたよね？彼女。


「え？・・・気にならない、て言うのは嘘になるけど・・・割と知っているから・・・聞きたくない方かな。」


正直な気持ちを打ち明ける。

視線は自然とゆう君から外れて、外を見た。

弱いオレンジ色の夕日が照らしている、葉のない木が目に入る。

結婚式の頃は、もう少し暖かくなるかな。


「ごめん。ノリが嫉妬といか、そういう思いをしてる事をわかっていながら、ノリの気持ちを軽く考えていた。オレへの気持ちなんて、ただの憧れだって。」