白衣の王子様の恋愛感 【番外編12月7日up】
急に声のトーンを変えるゆう君。
長い足を組みかえるのが見える。
目がすごい真面目な感じで私を見据える。
「え?・・・お見合いした方がいいとか悪いとか・・・そんな風に思ってないよ。だって、お見合いをするって事は、結婚するって事でしょ?ゆう君が結婚したら、こんな風に遊んでもらえ無くなるね。・・・だからと言って、ゆう君に結婚して欲しくない、て訳じゃないよ。残念には思うけど。結婚でゆう君が幸せになるなら大賛成!ゆう君の幸せはいつも願っているよ・・・。」
それは本心だ。
望さんが、私の叔父であるともちゃんと結婚して、いろいろ安心できる生活を送って来たとは思うけど、幼いながらゆう君だって気を使う事は多かったはず。
ともちゃんも良い人で、結婚する前から、私の事もとても可愛がって甘やかしてくれていた。
医学部へ行きたいという、ゆう君の願いを、支えて応援してくれたともちゃん。
だから、ゆう君に意地悪するなんて絶対なかったと思う。
それでも、難しい中学生という多感な時期に、他人と暮らし始めた事は、私たちの目に見ない苦労もあったはず。
そんな、ゆう君に幸せになってほしいと思うのは当たり前のこと。
ただ、私が幸せにできない事が悔しい。
「ありがとう。・・・34歳になっても、まだ結婚したいなんて思わないから、今はまだオレの幸せとは違うんだろうなあ。・・・オレもノリと遊んでもらえるうちは一緒にいたいしな。”こんなおじさん、嫌!”て言われるまで側にいていいだろ?」
「もちろん!ずーと、側にいてね。それから、言っておくけど、ゆう君はおじさんじゃないから!」
ずーとなんて無理な約束だとわかっている。
でも、今だけはいとこでいいから側に置いておいてね。
年のわりに若く見えるゆう君は、おじさんじゃないからね。