白衣の王子様の恋愛感 【番外編12月7日up】
「そうなのね。・・・で、私にお願いって?」
そうだ!
ママに頼みがあるって言ってた。
「悠理の希望している大学が、そこの都川大(とがわだい)なんだよ。」
都川大?聞いた事ある!
うちから近いよね?
うちの一番近い駅の近くだよね?
「都川大の医学部?ゆう君て頭がいいとは思っていたけど、本当に優秀なのね~。」
ゆう君って頭がいいんだ~。
やっぱりね!
前に宿題を教えてくれた時、先生よりもよくわかったもん。
「俺に似てね!」
胸を張るともちゃん。
偉そうだよ。
「もう!!はい、はい。」
ママは呆れ顔だ。
ともちゃんとゆう君は一緒にいるから似ちゃったて事かな?
ともちゃんは好きだし、まあまあカッコイイけど、ゆう君はもっとカッコイイから、ともちゃんに似なくていいと思う!
「それで、知成のところからは距離があるから、うちに下宿でもさせてくれってこと?うちは歓迎だけど・・・ゆう君は遠慮するでしょ?」
首をふるともちゃん。
「違うんだ。本人も1人暮らしを望んでいるから、そうさせてやりたいと思っている。ただ、・・・悠理は徐々に俺達と距離を置こうとしてるんじゃないかと、俺も望も不安なんだ。・・・だから、そうならないように、なるべくお節介を焼いて欲しいんだ。俺達がやればいいことなんだけど、俺は仕事があるし、望も身重だし、赤ん坊が生まれたら余計に頻繁に出かけられないだろう?だから、せめて来年だけでいいから、お願いできないだろうか?」
みんなが静かになった。
私は残念な事に、悲しそうに言うともちゃんの言葉のほとんどが、理解できなかった。