白衣の王子様の恋愛感 【番外編12月7日up】

ゆう君は希望通りの都川大学医学部に合格した。



ゆう君は、大学の近くのマンションに1人暮らしを始めたと、ともちゃんと一緒にうちに挨拶に来た。

4月生まれのゆう君の誕生会をした事を切欠に、時々うちで夕飯を一緒に食べるようになった。

誕生日ケーキは、私もお手伝いした!

”ゆうくん おめでとう”とチョコで書いた!

心をこめてというのは、こういう事かと思った。

そして、たまに泊まっていってもくれるのも私は嬉しかった。



どうして嬉しいかの意味を知ったのは、次の年のことだった。
小学5年生の時。



学校に教育実習の先生が来た。

その先生のお別れ会の時に、先生に渡すプレゼントを、友達と買いに行く係りになった。

私たちは、プレゼントを買いに、駅前に行くことにした。

私が住んでいる街は、ゆう君が通っている都川大学を中心にできたのだと聞いている。

だって、駅の名前も”都川大学前駅”というのだから。

私の家はその駅から歩いて10分の一戸建て。

パパは電車で都心の会社に1時間かけて通勤している。

私がパパに、大変だね、と言ったら、そんな事ないよ、と優しく返してくれた。

「いつか、法子がこの家を出て行ってしまった時、ママと楽しく暮らせる家が欲しかったから、ぜんぜん大変じゃないよ。」

パパやママはこの家を設計する時、いっぱい思いを詰め込んだんだって。

だからかな、私の部屋がすごく小さい気がする・・・。



駅ビルには、たくさんお店が入っている。

教育実習の先生はきれいな女子大生なので、私たち女の子がよく行く雑貨屋さんで買うことにした。

かわいいキャラクターの小物や文房具、ぬいぐるみなどに囲まれて、このお店にいると夢の中にいるみたいにフワフワした気分になる。

結局、大人の先生にはキャラクター用品はもらっても困るだろうと思い、小花柄のポーチと手鏡をセットにして贈る事にした。

綺麗にお店の人にラッピングをしてもらってお店を出た。





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