白衣の王子様の恋愛感 【番外編12月7日up】
5
ゆう君は希望通りの都川大学医学部に合格した。
ゆう君は、大学の近くのマンションに1人暮らしを始めたと、ともちゃんと一緒にうちに挨拶に来た。
4月生まれのゆう君の誕生会をした事を切欠に、時々うちで夕飯を一緒に食べるようになった。
誕生日ケーキは、私もお手伝いした!
”ゆうくん おめでとう”とチョコで書いた!
心をこめてというのは、こういう事かと思った。
そして、たまに泊まっていってもくれるのも私は嬉しかった。
どうして嬉しいかの意味を知ったのは、次の年のことだった。
小学5年生の時。
学校に教育実習の先生が来た。
その先生のお別れ会の時に、先生に渡すプレゼントを、友達と買いに行く係りになった。
私たちは、プレゼントを買いに、駅前に行くことにした。
私が住んでいる街は、ゆう君が通っている都川大学を中心にできたのだと聞いている。
だって、駅の名前も”都川大学前駅”というのだから。
私の家はその駅から歩いて10分の一戸建て。
パパは電車で都心の会社に1時間かけて通勤している。
私がパパに、大変だね、と言ったら、そんな事ないよ、と優しく返してくれた。
「いつか、法子がこの家を出て行ってしまった時、ママと楽しく暮らせる家が欲しかったから、ぜんぜん大変じゃないよ。」
パパやママはこの家を設計する時、いっぱい思いを詰め込んだんだって。
だからかな、私の部屋がすごく小さい気がする・・・。
駅ビルには、たくさんお店が入っている。
教育実習の先生はきれいな女子大生なので、私たち女の子がよく行く雑貨屋さんで買うことにした。
かわいいキャラクターの小物や文房具、ぬいぐるみなどに囲まれて、このお店にいると夢の中にいるみたいにフワフワした気分になる。
結局、大人の先生にはキャラクター用品はもらっても困るだろうと思い、小花柄のポーチと手鏡をセットにして贈る事にした。
綺麗にお店の人にラッピングをしてもらってお店を出た。