白衣の王子様の恋愛感 【番外編12月7日up】
「あ!先生だ!」
友達のその声に、指差す方向を向く。
私たちがまさにプレゼントを渡す相手の教育実習の先生だった。
いつものように黒いスーツで髪を高い位置で1つに結ぶ先生は綺麗でかわいい。
教育実習中にもっと仲良くなって、いっぱいお話がしたいと思っていた。
よく見ると、先生は誰かと並んで歩いていた。
嬉しそうに微笑みながらお話しているのが見える。
「どうする?声、かけちゃう?」
友達とニヤニヤしながらモジモジしていると、だんだん先生たちが近づいてきて、隣の人が男の人だとわかった。
え?
ゆう君?
先生の隣りは、やさしく微笑んでお話しているゆう君だった。
私も見た事のあるシャツを着たていたから間違いない。
友達が私の腕を引いて近くの店に入って、覗くようにゆう君と先生を観察する。
「彼氏かな?デート中だと邪魔しちゃ悪いよね。フフフッ。」
だから、隠れたのか。
楽しそうな友達の声がなんだかイヤだ。
結局、私たちは2人に声をかけずに見送った。
その後、どうやって家に帰ったかよくおぼえてない。
夜、ベッドに入ってからも考える事はゆう君と先生の事。
友達かな?
それとも、友達が言うように、ゆう君は先生の彼氏・・・なのかな?
風邪をひいて気持ちが悪い時とは、違うような気持ち悪さが体中を包む。