白衣の王子様の恋愛感 【番外編12月7日up】
書類審査と英語の面接をクリアして、私は留学に行ける事になった。
7月から12月までの半年間。
ゆう君に会える!
でも、現実はそう甘くなかったけどね。
「・・・留学するのは、すごいけど、オレはホントに忙しいから、あんまり会えないぞ。」
学校で留学生に選ばれたから、ゆう君の病院の近くの大学に行く事を報告した。
まあ、思った通りの薄い反応だったけどね。
「・・・わかってるよ・・・ゆう君に会いに行くわけじゃないし・・・。」
嘘だ。
負け惜しみ・・・。
何にも負けてないけど!
会いたくて、会いたくてしかたがない。
そして、現実はやさしくなかった。
留学して1ヶ月経っても、ゆう君には会えなかった。
ゆう君は、言った通り忙しそうだったが、私も忙しかった。
毎日、毎日、英語でしか話せないのは苦痛だった。
会話のスピードに付いていけなくて、滞在先の寮で泣いた。
本当は、ゆう君に会えないのが辛かったのかもしれない。
休日は、1日中課題や勉強で終わる時もあった。
みんなに慣れる為に誘われたら外出にも応じた。
次第に、耳も口も頭も慣れてきて、ペラペラとまではいかないが、それなりに会話らしきものができるようになってきた。
本当の意味で何も予定が無い休日が訪れたのは、2ヶ月を過ぎる頃だった。
9月でもまだまだ暑いワシントンに、秋が少しずつ訪れ始めていた。