白衣の王子様の恋愛感 【番外編12月7日up】


戻ってきたママは早速台紙に包まれたいかにものお見合い写真をゆう君の手に渡した。
その途端、困り顔になるゆう君を私はコーヒーを啜りながら盗み見る。
いつも、キリッとした、まるで陶器で作られたような、精巧な顔はイケメンの部類だと思う。
何人もの人を助ける長い綺麗な指先にすら見とれる。
ママは、望さんとの会話、パパが会社から持ってきた写真の事を話した。

「母が、すみません。・・・でも、本当に仕事が忙しいから、結婚とか考えられなくて。したい人がいれば考えるだろうけど。・・・それに、今はノリも遊んでくれますから、ね?」

急に話を振られてびっくりする。

「え?・・・うん!」

でも、嬉しかった。

「あらあら。・・・無理にお見合いしろとは言わないけど、その気になったらいつでも言ってね。力になりたいのよ、私たちは。・・・それから、法子もゆう君にばかり迷惑かけないで、ちゃんと彼氏作りなさいよ。この前だって、同級生の結婚式に呼ばれたでしょ?あなたも結婚する歳になったのよ!」

矛先が私に向いた事に唇を尖らす。
確かに25歳は法的にも結婚に問題ない歳ですけど。
ゆう君が遊んでくれるなら、まだこのままでいたい。




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