白衣の王子様の恋愛感 【番外編12月7日up】
車で家に来ていたゆう君。
車に詳しくない私だが、外車な事ぐらいはわかる。
たまに乗せてもらうから、勝手知ったるという感じで、自分でドアを開け乗り込む。
ゆう君自身の香りとも違う、車の芳香剤の香りが、スパイシーで大人っぽくて、でも嫌じゃない。
なんとなく助手席に乗せてもらえることに、優越感をおぼえながら、流れる窓の景色を気分良く眺める。
ゆう君も、私が気分がいい事がわかるみたいで、わざと遠回りして、ドライブがてらショッピングモールへ向ってくれているみたい。
2人きりの空間が嬉しくて、少しでも長くこの時間が続けばいいと思う。
休日の午後のショッピングモールは、親子連れやカップルでいっぱいだ。
新しくできた場所と言う事もあるのだろうし、12月という月も混雑の要因。
オープンセールで赤札が並ぶ、カジュアルなジュエリーショップを覗けば、可愛いくて欲しくなるものが並んでいた。
「欲しいの?」
ちょっと長く見過ぎちゃったよね。
私の視線を辿るゆう君。
そこには、小さいハート型の青い石を囲んで透明の小さな石がいくつも連なっているリングが、照明を当てられ輝いていた。
お値段を記すプレートには”11月の誕生石 ブルートパーズ”と。
「う~ん、誕生石を身につけるとお守りになるって聞くじゃない?それに、もうすぐボーナス出るし、日ごろ頑張っている自分へのご褒美に買っちゃおうかな~。」
そう、私は11月生まれ。
もう過ぎちゃったけど。