白衣の王子様の恋愛感 【番外編12月7日up】
”おうちレストラン”と私たちが呼ぶそこは、駅や繁華街から離れていて、住宅地に端のほうにある、一見大きな家に見えるレストラン『RASSEMBLER(ラソンブレ)』を私達はそう呼んでいた。

少しお高めの値段設定にも関わらず人気があるお店。

年に1~2回、私の家族とゆう君の家族で一緒に訪れていた場所。

個室もあるので、私が小さかった時は、そこを予約していた。

ゆう君が仕事をするようになってからは、忙しいゆう君は抜きで行く事もあった。

でも、今年は1度も行っていない。
みんな、忙しかったのかな。


ラッキーな事に残業がなかった金曜日の夜、約束通りゆう君は会社の近くまで車で迎えに来てくれた。


”おうちレストラン”の駐車場に車を止めて、中に入れば、すぐに席に案内された。

小さいが綺麗に整えられた庭が見える席は、入り口より最奥だ。

お料理も電話で予約してくれていたので、すぐにいろいろ運んできてくれた。

車だから、アルコールは抜き。

ゆう君は硬水のミネラルウォーターで私は炭酸水をお願いした。


ショッピングモールで別れた後、ゆう君の車は私が自分の家まで運転して帰った。

家に帰るとゆう君の車が駐車場にあると、なんだか安心して、嬉しかった。

ゆう君は、今日の午後、車を取りに私の家に行ったと言う。

今日からは無いのか・・・。

ゆう君が家に行った時には、ママはもう居なかったらしい。

たぶん、今日、食事する友達ともう出かけてしまったのだろう。


そんな他愛もない話をしていれば、最後のデザートとコーヒーが目の前にセッティングされた。




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