白衣の王子様の恋愛感 【番外編12月7日up】
「そうかな~。・・・法子がゆう君を好きで好きで、そのせいで今だに他の人に恋ができない事、ゆう君はわかっていると思うよ。それをわかっていながら、指輪を買ってあげるほど無神経とは、ママは思わないけど。」


無神経かどうかはわからないけど。

幼い頃から全身でゆう君を好きって言い続けている私を見ているのだから、そんなことは今更だ。


「・・・私も、指輪なんて、いとこに贈ったら彼女だって気分悪いと思うって言ったの。そしらた、今は彼女はいないって言われた。だから、大丈夫って・・・。たぶん、ゆう君はそんなに深く思ってこの指輪をくれた訳じゃないよ。私だって、勘違いしないように、自分でもちゃんと・・・わかっているから。今はまだ、このままでいたいの・・・。」


私だってちゃんとわかってる。

例え、一緒に休日を過ごしてくれたって、付き合っている彼女より私を優先してくれたって、ゆう君の私への思いは家族愛だ。


私の「今はこのままで」を聞いてママは深い溜め息をついた。


「法子・・・。わかったわ。でもね、だとしたら、ゆう君が結婚しないのはどうしてだと思う?」

「え?」


思いもしないママの質問に頭が真っ白になる。

本日、二回目の真っ白。

ゆう君の結婚?

私に関係ある?

ママこそ、なぜ今そんなこと聞くの?



「これは、考えすぎな事かもしれないけど・・・法子を傷つけたくないからっていう、可能性は無いかな?」



もしそうなら、ゆう君は私のせいで結婚をしない?

雷にでもうたれたような衝撃がビリビリと身体に走る。




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