白衣の王子様の恋愛感 【番外編12月7日up】
「ゆう君は小さい頃から、大人の顔色を見て、自分を抑えて、生きてきた子でしょ?法子はゆう君にとって、もしかすると、母親である望さんより、もっと近い家族のような位置にあるんじゃないかなって思うの。何の邪心も無い小さなあなたとの出会いは、家族以上、無条件に守りたい存在になっていたのかもね。・・・だから、自分を好きでいてくれるあなたを傷つけたくない、そう思っているじゃないかな?・・・これは、ゆう君に確かめたわけじゃないから、想像でしかないけど・・・。」
母1人、子1人で生きてきたゆう君は、男の子である自分がお母さんを守りたいと考えてきた。
でも、望さんの結婚によって、自分の役割を義理の父であるママの弟の知ちゃんに取られてしまった。
そんな時に会ったのが小さな私だ。
良く懐いた私は、望さんの代わりに守るべき者になったのかもしれない。
本当に私の為に結婚をしないの?
「あなたはまだ若いから、もうしばらくこのままで、と思うかもしれないけど、ゆう君はあなたより年上なのよ。・・・法子、ゆう君の未来、考えてあげなさい。・・・とにかく、指輪の件はわかったわ。明日、望さんにもちゃんと否定しておくから。」
そう言って新聞を閉じて寝る為の片づけを始めるママ。
ママに言われた事が、あたまの中でガンガンと響く・・・。
ゆう君の未来は、私とは違う未来・・・。
私がゆう君から離れなければ、ゆう君に訪れるはずの幸せな未来は来ないの?