白衣の王子様の恋愛感 【番外編12月7日up】
友達と約束がある、と言って家を出た。


会社の最寄の駅でもある春波駅で電車を降りた。

休日まで会社の近くにくるなんて、私は仕事人間か!

そうツッコミたくなるけど、そうじゃないことは自分が一番よくわかっている。


会社までの良く通る道という事もあって、この辺の事は、自宅周辺よりも最近は詳しい。

だから、偶然、見つけた小さなカフェが、朝早くから営業している事も知っていた。

カウンターに3席、2人がけの小さなテーブル席が4つ、一番奥の壁際に向かい合う2人掛けのソファ席が1つの大体がうまっていた。

窓際のテーブル席しか空いていなかったので、そこに座る。

ラッキーな事に、外が良く見えるいい席だった。

カフェオレとホットサンドを注文して、バッグから文庫本を取り出した。

本を開けずに、窓の外の人の流れを見る。

土曜日の朝のせいか、人通りはいつもより少ない。



前にここに来たのは、いつだったかな?



まだ、夏の暑さが少し残っていた頃だった・・・。

そうだ9月だ。

会社の送別会の帰り、偶然会った綺麗な女の人を連れているゆう君に、心が落ち着かなくなって、次の日早く目覚めて、ここへ来た。


あれ?今回も同じパターンかも・・・。


何度も同じ事をして進歩が無いなあ。

来年も、再来年もこんな風に過ごしているのかな。

今は一緒に遊んでいる友達がいるけど・・・。

彼氏がいないのは、私だけ。

大学の友達の恵(めぐみ)だって来年早々に結婚式を挙げる。

そうやって、みんな結婚しちゃったら・・・あーあ、1人なるのかな。


ゆう君も今そんな思いしているのかな。

9歳年上のゆう君の友達はみんな結婚していて、ゆう君だけが残っているのかも・・・。

それが私のせいだとしたら・・・イヤだな。


だからって、彼女作っていいよ、とか、お見合いしたら、とか私が言うの変じゃない?

・・・イヤだし。

こういう考え方、堂々巡りっていうのか。

答えんなてでないよ。





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