吸血鬼と愉快な嫌忌者達。
山に入ってからは簡単だった。
屋敷にこもってちゃ分からなかったモノをたくさん見た。
美しい草花に
美味しい山特有の空気
ぽつぽつと模様のように浮かぶ木漏れ日。
本当に美しくて、ずっとここにいたいなんて思ってしまう。
「……ぃ。まぶしぃ。」
ある程度歩くと目がチカチカしてきた。
ああ、もう太陽が落ちようとしている。
私は立ち止まって、太陽を見上げた。
ずっと屋敷にこもっていたけど、外の世界はこんなにも美しい。
私が太陽に手を重ねると、私はいきなりの浮遊感にさいなまれた。
下を見ると木々が生い茂っていることから多分、足を踏み外して崖から落ちたのだと思う。
と、こんなに悠長に考えていると
「そろそろ…………やばいよね」
本格的に地面が近くなってきた。
私はもうどうでにもなれと目を瞑って最期の瞬間を待った。
結果、私は硬いものとぶつかり気を失った。