吸血鬼と愉快な嫌忌者達。
「では、開けますよ。」
ギィ、とドアの軋む音。
その先には見た目30代の女性がいた。
「……………やっと来たのね。待ちくたびれたのよ、ハルバルト。」
「すみません、学園長。」
ハルバルトさんが頭を下げる。
私はそれに合わせ、優雅に見えるように心掛けながらお辞儀をする。
「話は聞いてるのよ。ヨルさんを転入させて欲しいと言うことでしょう?
ハルバルトが言うならいいのだけど、それでも一応は転入試験をしておかなくてはいけないのよ。」
分かる?、と学園長は私を真っ直ぐに見つめる。
私を見定めているような視線。
私が幾度となく受けてきた視線。
「はい。私は何をすれば宜しいのでしょうか。」
「貴方は魔法がつかえないのよね?
それならギフトと契約する必要があるのよ。今からギフトと契約して、そのギフトのレベルによって転入を認めるわ。」
そう、私は魔法が使えない。
魔族で魔法が使えるのは妖精種のフェアリーとエルフ、獣人種の一部だけらしい。
当然、吸血鬼は魔法が使えない。
魔界では、魔法が使えない魔族はギフトと呼ばれる魔法道具?と契約しギフトをとおして魔法がを使う。
「分かりました。」