吸血鬼と愉快な嫌忌者達。
空気がざわざわと動きだす。
「可愛くね。」
「男子うざーい。」
「あいつ弱そうだな。」
「…………。」
言っていることは様々だが、とりあえず歓迎はされていなさそうだ。
「ヨルさんは窓側の後ろの席の隣に座ってください。
それでは、授業を始めます。」
私の席の隣の銀髪の男の子は寝ているけど何故だか誰も気にしない。
私が席に座ると一瞬で静かになる。
流石は魔界のエリート校。
ハルバルトさんは黒板に授業内容を書き留めていく。
集団授業なんて久し振りだ。
「……さん。ヨルさん!」
「っはい。」
やばい、ぼーっとしていた。
「ぼーっとしていないでください。罰としてこの問題を解いてください。」
「……。」
ハルバルトさんから黒板へ目を移す。
その間、クラスメイト達がニヤニヤと笑っているのを私は見過ごさなかった。
「………6/57x+79/111xyです。」
このくらいなら前の学校でもやっていた。
なのに何故だろうか。
生徒達の目が大きく見開いている。
「………正解です。次からは気をつけて下さいね。」
ハルバルトさんだけが普段通りだった。