吸血鬼と愉快な嫌忌者達。



あれから1カ月たった。

私が魔界に出発するのは僅か1週間後

魔界の知識をひたすらに母に詰め込まれた私は自室で屍となっているところだ。



「お疲れ様、夜月。」

母は冷たいお茶を私の頬にあてる。


ヒンヤリしてて気持ちいい。

「せっかく入った高校も1カ月で転入か。」

私はお茶を一口飲む。

「あら、魔界に出発すると決めたのは夜月でしょう?」

何を今更、私の母は失笑する。

「別に高校に未練があるわけじゃないよ。そもそも高校に行ったの入学式の日だけだし。」

「ねぇ、夜月、最後に絶対守ってほしいことがあるの。

誰にも自分が吸血鬼であることを言わないこと。
理由は分かるわね?」

母は真剣な眼差しで私を見据える。

「分かってるよ。」

何故、自分が吸血鬼だと言ってはいけないのか。

それは一番はじめに母に教わったこと。
今から遥か昔、吸血鬼は絶大な力をもっていたらしい。
そして吸血鬼たちは他の魔族たちを殺して血を啜りまくった。

今では吸血鬼は魔族認定されておらず他の魔族に虐げられている。

「吸血鬼が奴隷扱い、、、ねぇ。」
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