さようなら、ディスタンス。
★☆☆
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パンやお弁当が広がる机を囲み、クラスの女子たちは矢継ぎ早に意見を述べていく。
「見た? 麻里奈さんの誕生日のやつ」
「さりげないそれとないノロケ。うちああいうの苦手」
「すごいよね、祐希くんも」
「みおりん何か聞いてないの? 最近祐希くんと超仲いいじゃん」
ここで回復を使うか、ダメージカットを発動するか、それとも奥義で押し切っちゃうか。
わたしは1人スマホゲーの世界に入り込んでいたが、
みおりん聞いてるー?
という声がクリアに頭に響き、顔を上げた。
「わ、ごめん。ちょっと集中してた。今イベント期間中でさー」
「だからー祐希くん何か言ってなかった?」
「祐希が? え? なんのこと?」
きょとんとしていると、みんなにはぁ~とため息をつかれた。
わたしが必死にHPを削ったバハムートは、隼人くんによってトドメが刺された。
「麻里奈さんって、祐希くんとまだ続いてたんだね。意外」
「大学行ったら出会いたくさんあると思うのに。祐希くんもすごいよね。花束ってやばい」
ああ、その話か。