さようなら、ディスタンス。

戦いがひと段落したため、わたしも女子たちのトークに入ろうとした。が。



「未織ちゃーん！　バハ倒しといたよー！」



隼人くんの大声に邪魔をされた。


教室後方にたまっている男子軍団。隼人くんはその中心でわたしに手を振っている。



……倒しといたよって、あんたトドメ刺しただけじゃんか！



顎で会釈しながらも、心の中で彼に毒づいておいた。



わいわいしている男子軍団の中で。


会話に参加しながらも、祐希はスマホをいじっていた。



あいつ、麻里奈さんにラインでもしてるのかな。


と思いきや、


わたしのスマホが震え、メッセージのポップアップが出た。



祐希『今日放課後ヒマ？』



「おれ魔力ないわー！　次未織ちゃんバトルお願いー！」



大声で話しかけてくる隼人くんに対して、祐希はわたしを見ず、スマホに視線を向けたまま。


はいはい、と隼人くんに口で返事をした後、ラインを立ち上げた。



『テストやばいし勉強する』



送信と同時に既読がつき、すぐに返事が来た。



祐希『ちょっと付き合って』


『どこに？』


祐希『校門前で』



わけがわからないため、『？』マークがついたキャラスタンプを送ったが、もう既読はつかなかった。


言いっぱなしかよ。もう！