さようなら、ディスタンス。
「久々にみおりんと遊べてうれしいー」
「わたしもだよ。美羽ちゃん大きくなったね」
「クラスで真ん中になったよ」
「すごーい」
美羽ちゃんとキャッキャと話していると、祐希に腕を引っ張られた。
肩が彼の胸元にこつんとぶつかった。
「お前濡れてるじゃん。ちゃんと入れよ」
美羽ちゃんに聞こえないようにするためか、こっそりと耳打ちをされる。
普段とは違う、低めのささやき声がやたら頭の中に響く。
「……うん」
こいつ、口は悪いしぶっきらぼうだけど、意外と優しいんだよな。
だから麻里奈さんっていうレベル高い女子を恋人にできるのかもしれない。
少しだけ気になってはいる。
妹の前では、どんなお兄ちゃん像を演じているのか。
彼女と一緒の時は、どんな彼氏でいるのか。とか。