さようなら、ディスタンス。
★★★
☆
期末テストは、可もなく不可もなく、いつも通りの出来だった。
結果が出るのは週明け。ちょうど梅雨も明けた。
この3連休は思いっきり羽を伸ばせる。
久しぶりに光くんにも会える。
『テスト終わったよ!』
光『おつかれさま。いつ来る?』
『ライブ日曜だよね。土曜の夕方ごろ行くよ!』
光『ごめん、土曜は練習で遅くなる』
『まじ? じゃあ日曜に行こうかな』
なんだよ。人のこと誘っておいて土曜は予定があるんかい。
新幹線じゃなくて夜行バスにしようか。でも、そしたら光くんを朝早く起こすことになるよな。いつも昼過ぎまで寝てるらしいし。
結局、東京行きは日曜になった。
ってことは、花火大会行けるじゃん。
隼人くんからの誘いは断っちゃったけど、本当は見に行きたい。年々クオリティが高くなってるし、高校ラストだし。
ベッドに寝っ転がり、スマホに手を伸ばす。
ちょうどクラス友達のグループラインが動いていた。
たぶん花火行くとか行かないとかの話のはず。どれどれ。
なつみ『集合5時でいい?』
アユ『行けたら行く』
隼人『えー高校最後じゃん。アユも思い出作ろうよ』
アユ『エモい~行くかも~』
学『俺も参加していい?』
隼人『おいで!みんなで行こうやー』
まじか。隼人くん企画かよ。わたし行けないじゃん。
会話には参加できないため、ロック画面上に現れる文字を追う。
その中に、祐希のメッセージはなかった。