さようなら、ディスタンス。
ドン! という衝撃音により目が覚めた。
「ん……」
ゆっくりまぶたを開く。
つぶっていた時と同じくらいの色だったため、驚いてすぐ覚醒した。
急いでベッドから体を起こし、まわりを見渡す。
部屋の中心に1点の光があった。あわく照らし出されていたのは、スマホをいじっている祐希の姿だった。
「あ。起きた?」
「ちょっと待って。今何時?」
再び地響きのような音が窓を揺らす。
「7時半くらい」
「うっそ。花火~! 始まってる!」
寝起きなのに1人騒いでいるわたしに対し、祐希は立ち上がり部屋の明かりをつける。
まぶしくて、目をぎゅっとつぶって開けると。
「じゃ行く?」
祐希は財布をポケットに入れ、部屋のドアを開けた。
おい、待てよ。