極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
「ありましたよ。友達が校庭に出た時誤って風船割ってたなあ」

渡辺さんは懐かしそうに目を細める。

「私が卒業する時も割っちゃった子いましたよ。今も風船飛ばしてるのかなあ。変わってないといいな」

クスッと笑みをこぼすと、渡辺さんも「そうですね」
とにこやかに相槌を打った。

「最近、テレビ番組で田舎が映るとついつい見ちゃうんですよね。田舎が嫌で東京に出てきたのに」

こないだも週末アパートでダラダラしていたら、テレビに私の地元が映っていて最後まで観てしまった。

「ああ、わかります。たまに実家に帰るとホッとするし」

私の目を見て渡辺さんは頷く。

「今年のお盆は帰省されるんですか?」

当たり障りのない話題を口にするが、彼は私の質問に苦笑いした。

「生憎仕事が入っていて」

「お医者様ってやはり忙しいんですね」
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