極上恋愛～エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない～

「藤宮さんは医療機器メーカーのTAKANOにお勤めなんですよね？研究職ですか？」

渡辺さんに話かけられ、ハッと我に返る。

「い、いえ、秘書をしてまして」

「人気の職種じゃないですか。すごいですね」

「お医者様に比べたら全然ですよ。あっ、うちのカタログをお持ちしたんですけど、良かったらご覧になりますか？」

バックから白い封筒を出し、カタログを渡辺さんに見せる。

「うちの大学病院の電子カルテとかTAKANOの製品なんですよ。使いやすくて便利ですね」

「ありがとうございます。カタログに載ってる製品の説明とか出来ればいいんですけど、商品知識が全くなくて……。営業も連れて来れば良かったな」

クスッと笑ってジョークを言えば、彼は声を上げて笑った。

「すぐに何か買わされそうですね」