極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
「うちの営業は優秀ですからね。特に私の同期の営業課長は腹が立つくらい有能なんですよ」

なぜかここで前園の話をしてしまう私。

だが、渡辺さんは気を悪くした様子も見せず、穏やかに返す。

「藤宮さんが言うんだから、よほどやり手なんですね」

会話のキャッチボールが上手な人だな。

それに比べ、あいつといるとドッジボールになるのよね。

あっ……また前園のこと考えてる。

最近、あいつが出張で不在のせいか、秘書室は平和だ。

だから、なんか刺激が足りない……って、しっかりしろ私!

心の中で自分を叱咤していたら、突然ここにいるはずもないあいつの声がした。

「いえいえ、たいしたことはありませんよ」

え?

声のする方を向けば、スーツ姿の前園が営業スマイルを浮かべている。

呆気に取られる私と渡辺さん。


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