極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
美希ちゃん……何してくれてんの!

この場にいない後輩を心の中でなじる。

「もうどうするの!渡辺さんにこんな失礼なことして」

お母さんにだって絶対怒られる。

「失礼なのは、その気もないのに見合いする柚月の方だと思うけどな」

責任を転嫁する前園にカチンときた。

「あのね、渡辺さんはすごくいい人だし、同郷だし、話も合うの。どうしてその気もないって決めつけるのよ!」

「だったら、その渡辺さんに俺の話をしたのはどういう理由から?」

こいつは急に真顔で問い掛ける。

「それは……うちのカタログ見せて商品説明が出来る営業がいたら……いいなって……思って……」

前園に説明するが、声が尻すぼみになった。

「見合い相手にうちのカタログ見せるってお前は営業かよ。愛社精神の塊だな」

刺々しい口調でこいつは皮肉る。

美希ちゃんにも同じこと言われたっけ。
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