極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
「煩い。人生かかってるのよ!片桐君の知人だっているんでしょう?いい人紹介して」

美希ちゃんは凄味のある眼光で片桐君を睨むと、彼のスーツの袖を引っ張る。

「藤宮さ〜ん」

片桐君が私の方を振り返って助けを求めたが、婚活に励む美希ちゃんを止められる者なんて誰もいない。

「片桐君、美希ちゃんの面倒見てあげて」

クスッと笑みを零しながらふたりの姿を見送ると、受付した時に渡された席次表を見た。

会社の同僚で纏められたテーブルに自分の名前を見つけるが、私の左隣は前園。

げげっ。

披露宴の間もずっといじられそうだ。

「……席替えしたい」

溜め息をつきながら自分の席に向かう途中、大企業の社長や政治家達と談笑している前園の姿が目に入った。

さすが営業部課長。

経済界の重鎮達を前にしても堂々としてるな。
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