極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
自分なりの精一杯の抵抗。

前園を苗字で呼ぶ事で親密な仲ではないことをアピールする。

「彼女は社長秘書をしているんだ」

前園が補足説明すると、お父様は頰を緩めた。

「道理でしっかりしたお嬢さんだと思った。今日は約束があって時間がありませんが、今度是非うちに遊びにいらして下さい」

笑うと穏やかな印象に変わる。

素敵なお父様だ。

「……ありがとうございます」

ポーッと見惚れながらお礼を言うと、お父様は前園の肩に手を置いた。

「綺麗な子じゃないか。母さんもきっと喜ぶ。じゃあ」

そう言って歩き去る前園のお父様。

その後ろ姿を見送り、ポツリと呟く。

「うちの父と交換したい」

そんな私の肩を抱き、前園は私の耳元で囁いた。

「俺と結婚すれば、お前の義理の父になるけど」

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