極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
ハーッと嘆息しながら部屋の鍵を開けて中に入る。

前園は私より先に玄関に入って中の状況を確認した。

「泥棒なんていないわよ」

自信を持って言うが、こいつはベッドの上の天井を指差した。

「柚月、水漏れしてる」

「ええっ!」

ギョッとして天井を見上げれば、確かに天井からポタポタと水が滴っていてお気に入りのパッチワークのベッドカバーを濡らしている。

「う……そ」

大学の時から住んでいるが、こんなの初めてだ。

「柚月、大家さんに連絡」

前園に声をかけられ、慌ててアパートの隣に住む大家さんに知らせにいく。

大家さんを連れて来ると、前園がビニールシートとバケツを見つけてベッドを保護していた。

「まあ……これは酷いわね」

天井を見て大家さんは驚き、私の隣の部屋や上の階の部屋も調べに行った。

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