極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
少し考えてそう答えたら、今度は前園に頭を小突かれた。

「バーカ。新婚家庭に押しかけたら、ただのお邪魔虫だろ?」

「あっ、そうか」

こいつに指摘されて初めて気づく。

突然の水漏れにやはり動揺しているのか、まともに頭が働かない。

前園に怒られても言い返さないし、私……なんかおかしい。

仕事ならもっと素早く対応出来るのに……。

そんな私を見て前園はテキパキと指示を出す。

「とりあえず、スーツケースに当座の着替えを入れろ」

「え?まだどこ行くか決めてないけど」

目を見開いて反論したら、前園が怖い形相で命じた。

「いいから、準備しろ!」

……その顔、怖いんですけど。

渋々クローゼットからスーツケースを取り出して服を選んでまとめる。

服とか下着を前園に見られるのが嫌だったが、修理業者の人と話していて私の方は見ていなかった。
< 127 / 285 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop