極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
エントランスの床と壁は大理石だし、高い天井にはシャンデリアがあってホテルと勘違いしそうだ。

それに、前園が身につけているものはいつも有名ブランド品。

実家が金持ちなのだろうか?

そう言えば、前園のお父様も見るからにオーダーメイドのスーツを着ていた。

前園はコンシェルジュとにこやかに挨拶を交わすと私を待ってエレベーターに乗り込む。

「ねえ、私ホテルに行くから」

そう主張するが、こいつは前屈みになり私に顔を寄せた。

「ふーん、そんなに俺とホテルに行きたい?」

楽しげに前園は目を光らせる。

「違います!」

全力で否定するも、エレベーターの扉が開いてこいつは私のスーツケースを持ったままスタスタと降りた。

「ちょっと、私の話聞いてる?」

仕方なく私もエレベーターを降りるが、ここは最上階だった。
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