極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
「ま、まさか本気とは思わなかったの。助けてくれたのは感謝するけど、『婚約者』はないんじゃないの?」

ムッとして文句を言えば、こいつは悪びれた顔もせずに言い放った。

「 相手を引かせるなら一番効果的だろ?」

目的のためなら手段を選ばない前園らしい発言。

一瞬クラッと目眩がした。

こいつの心臓は、きっと鋼で出来ているに違いない。

「それはそうなんだけど、あんなすぐにバレる嘘ついて良心が咎める」

額に手を当てハーッと嘆息すると、こいつは面白そうに目を光らせた。

「じゃあ本物にする?」

思わぬ言葉にゴクリと息を飲む。

「……その冗談笑えない」

パシッと肩に置かれた前園の手を振り払うと、彼を置いてスタスタと自席に向かった。

もうあいつにはついていけない。

華やかな花が飾られたテーブルに着くと、前園も追いついて私の横に座った。
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