極上恋愛～エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない～

そう挨拶するが、俺が電話に出てかなり驚いたのだろう。

『は？』

柚月のお母さんは絶句した。

だが、電話でお互い沈黙するわけにはいかない。

そのまま話を続ける。

「柚月さんとは同じ会社でTAKANOの営業課長をしています。実は柚月さんが住んでいたアパートが水漏れで……その対応で疲れてしまって彼女は今僕の家で寝ているんです」

なるべくお母さんに状況がわかるよう仕事の同僚であることや、アパートの水漏れ、今俺の家に柚月が来ていることを丁寧に説明した。

『まあ……それはうちの娘がご迷惑をお掛けして……。でも、……えーとお名前なんでしたっけ？』

あまりに動揺して俺の名前を聞き逃したらしい。

「前園健斗です。健斗と呼んで下さい」

なるべくよい印象を持たれるよう穏やかな声で告げる。