極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
『健斗さんがいてくれて良かったわあ。あの子結構ボーッとしてるから。それに、健斗さんのこと何も言わないんだもの。知ってたら見合いなんて勧めなかったのに』

少し落ち着いてきたのか、柚月のことをお母さんは愚痴る。

何となくお母さんの性格がわかってきた。

おおらかで人懐っこい人のような気がする。

こういうタイプは話が進めやすい。

柚月が寝ている間に外堀を埋めていこう。

「今度そちらに柚月さんとご挨拶に伺います。日時は改めて相談させて下さい」

『まあ嬉しいわ』

お母さんが明るい声で笑ったその時、柚月がギョッとした顔で俺を見てソファから飛び起きた。

「ちょっと!私の携帯で誰と喋ってんの!」

彼女が慌てて俺の手にあるスマホを奪おうとするが、俺は軽く避けた。

俺の声で目が覚めたか。
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