極上恋愛～エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない～

「なんであんたが私の隣なのよ！」

不満を露わにするが、前園は席次表をじっと眺め素知らぬ顔で返答。

「さあ。俺が決めたわけじゃないし、知らない」

……確かに、こいつが席を決めるわけじゃない。

つい八つ当たりしてしまった。

「ごめん」と謝ろうとも思ったが、前園が隣の人と話し出してタイミングを失う。

「藤宮さん、何ボーッと前園さん見てるんです？またからかわれました？」

不意に耳元で囁くような声がして、身体がビクッとなった。

この声は……。

「片桐く……ん？何で親族席じゃないの？」

振り返って尋ねると、彼はポリポリと頭をかきながら説明した。

「親族席だと独身の従姉妹達にいじられるんで、真司さんに頼んで変えてもらったんですよ」

その話を聞きながら席次表を見れば、確かに私の右隣に片桐君の名前が……。